誰も合図していないのに
共振と電源 #2 / 自励起動を一歩ずつ
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クロックが無いのに、どうやって発振は始まるのか。この図は、コレクタ共振回路(ロイヤー型)の自励起動を、回路図の上で一コマずつ追う。「次へ」を押すたびに、電流の通り道・ベース電位・磁束・帰還の極性がどう連鎖するかを見てほしい。

種になるのは、部品の小さなばらつきだ。回路がそれを帰還で読み、正帰還で一気に増幅する ── そこから先、波形を描くのはLとCで、トランジスタは半周期ごとに通り道を選び直す給仕にすぎない。転流の合図を出しているのは外部クロックではなく、タンク自身のゼロ交差だよ。

セルフテスト実行中…

起動の種は、部品の不完全さ。完全に対称な理想回路は、理屈の上ではいつまでも均衡したまま立ち上がらない(最後のコマで確かめられる)。現実には hFE のわずかな差や、熱雑音だけでも十分な種になる。回路はその微差を帰還で読み、正帰還で増幅し、あとはタンクのゼロ交差が半周期ごとに主役を入れ替える ── これが「誰も合図していないのに始まる」の正体だよ。