解説 — ROADMAP
見える物理を、触りながら一歩ずつ
読むだけで終わらないように、ほとんどの記事に「動かせる遊び場」を添えてある。下の順番に辿ると、力学の基礎から始まって、波と共鳴を抜け、最後は「足し合わせ」と「保存」で場までを、一本の道として掴めるようにしてあるよ。もちろん、気になった所からつまんでも大丈夫。
力学の基礎
世界を式に写し、時間で1コマずつ進め、帳尻で締める。運動方程式・数値積分・エネルギー。
1
運動方程式と束縛条件 — 物理を「解く」とはモデルを作ること ▶ デモ
公式に当てはめるのと、状況をモデル化して運動方程式を立てるのは別物。束縛条件こそが「足りない式」を供給し、運動を一意に決める。運動方程式ラボで体感する。
2
数値積分とは何か — 運動方程式を「1コマずつ」解く ▶ デモ
運動方程式は「次の瞬間どう動くか」しか教えてくれない。それを Δt ずつ繰り返して未来を作るのが数値積分(オイラー法)。自由落下のデモで体感する。
3
仕事と力学的エネルギー — 時間を追わずに答えを出す近道 ▶ デモ
½mv² や mgh を公式として覚える前に。運動方程式を一度だけ積分すると「された仕事=運動エネルギーの変化」が出てくる。保存力・ポテンシャル・力学的エネルギー保存を、エネルギー地形ラボで動かして確かめる。
発展
運動方程式の立て方(実践編)— 力を書き、束縛条件で閉じる ▶ デモ
運動方程式と束縛条件を「連立させれば必ず解ける」形で立てる方法を、動滑車・斜面・可動台・加速する滑車の例題と、座標の取り方・慣性力まで通して解説する発展編。
声と共鳴 ── 波動の入口
v=fλ から定在波・共鳴管・フォルマントまで一本道で。「あいうえお」が鳴る仕組み。
見える物理で「保存する量」を掴む
波・場・力を貫く2つの素朴な動き ──「足し合わせる」と「湧かない・消えない」を、触れる物理で。(エネルギー保存“則”に限らない、もっと広い“保存”の話)
1
波は、運動方程式から生まれる ── ばね玉の鎖と、分野の境目 ▶ デモ
力学と波動は、別々の分野に見えて、実はひとつ。玉をばねで繋いだ鎖の一個一個に F=ma を立てるだけで、ぽろっと波動方程式が出てくる。離散の運動方程式が連続の波になる瞬間を、弾ける鎖で確かめる。
2
2次元の波 ── 波紋・干渉・ホイヘンス ▶ デモ
水面に石を落とすと、丸い波が広がる。点源の応答・干渉・ホイヘンスの原理を、触れる2次元の波で掴む。ビームフォーミングやゾーンプレートにも触れながら、最後に「消えた波はどこへ行ったのか」を問う。
3
重ね合わせ ── 一発の応答を、足し合わせる ▶ デモ
一発叩いたときの返事(インパルス応答)さえ分かれば、どんな複雑な入力への答えも、その返事の足し算で出てしまう。畳み込みとフーリエ ── ふたつの“足し算”で、波も回路も場も解く。そして最後に「なぜ足し算でいいのか」を問う。
4
1/r²は、保存から生まれる ▶ デモ
音は遠いと小さく、光は離れると暗く、重力は距離の2乗で弱まる ── どれも同じ 1/r²。その理由は媒質でも偶然でもなく、「湧きも消えもしないものが、球面に広がる」という保存と幾何だけ。点源のまわりを、フラックスで見る。
5
源を足して、場を作る ── 一発の返事から、場の全体へ ▶ デモ
源をひとつ置くと、まわりに 1/r² の場ができる(前回)。源を増やすと、その場はただ足し算される(前々回)。向きを足すのはしんどいので、向きのないポテンシャル ── 1/r のすり鉢 ── を足して、場をその坂として取り出す。点源を連ねて場をつくる手の、奥にある二つの見方。